妊娠・出産によるホルモンの変化②

お役立ち情報

妊娠・出産によるホルモンの変化②

前回のコラムでは、「月経周期によるホルモンバランスの変化」についてご説明いたしました。

耳慣れない言葉も多く難しく感じる方も多かったかもしれませんが、

大切なことは月経周期に合わせて、体や心を休める時期なのか、

体を動かした方が良い時期なのかを知って

自分の体調管理ができ、生活がしやすくなることだと思っています⭐

一つでも良いので、日々の生活にぜび取り入れてみてくださいね(*^_^*)

今回は「妊娠・出産によるホルモンの変化」について解説しています。

これから妊娠したい方も、妊娠中や産後の方も、ぜひ読んでいただけたら嬉しいです(^^)

妊娠によるホルモンの変化

 ホルモンは通常卵巣から分泌されますが、妊娠することによって胎盤から分泌されるよう
になります。

妊娠に関わる胎盤ホルモンには、蛋白ホルモンとステロイドホルモンというものがありま
す。


◯蛋白ホルモン

細かくみると蛋白ホルモンは2種類あります。 

「ヒト絨毛性ゴナドトロピン」(hCG)と、「ヒト胎盤性ラクトゲン」(hPL)というものです。

ちょっと難しい、読みづらい名前ですよね(^^;) 

一つ目のhcgは、妊娠4週で胎盤から産生されて黄体に作用し、妊娠を維持させる役割があります。

つわりの原因は、このホルモンが増加することだと考えられています。

また、妊娠検査薬は、尿中に含まれるこのホルモンを検出することで妊娠を判別しています。
 

二つ目のhPLは、妊娠末期に急増するホルモンで胎児に栄養を送るために作用しています。
また、母体への栄養補給にも作用します。

◯ステロイドホルモン

ステロイドホルモンも2種類あり、一つ目は「エストロゲン」、二つ目は「プロゲステロン」です。 

エストロゲンは、妊娠中は非妊娠時の100倍ほど分泌されます子宮筋を大きくしたり、

子宮の血流量を増加させ妊娠を維持させるために働きます。

母乳分泌の準備を行いながら妊娠中は分泌を抑制し、

出産後エストロゲンが減少することで抑制がとれて母乳の分泌がはじまります。

プロゲステロンも、エストロゲンと似た働きをしています。加えて作用するのは、排卵が起こらないように抑制しています。

また、体温の上昇・察知能力や認知機能の低下・集中力の低下・関節を緩くするなどの作用もあります。

そのため、妊娠中は普段できていることができなくなったり、身体にトラブルが起きやすくなったりします。

産後のホルモンと産後うつ病

 産後6〜8週を産褥期といいます。この期間は、身体も心も環境も急激に変化していきます。

そのため、産後女性のおよそ10%の方が産後うつ病を発症するといわれています。

10人に1人です、多いと思いませんか?


◯ホルモンバランスの変化

 エストロゲンやプロゲステロンなどのステロイドホルモンは、産後胎盤が排出されると短時間で急激に減少します。

そして産後1週間でほぼ0に近い値までさがります。(妊娠前の値)

さらに1日に何度も授乳することで女性ホルモンは分泌が押さえられるので、低い数値の状態が続きます。

母乳をあげていない場合は、産後3~6ヶ月、母乳で育てている場合は母乳をやめてから3ヶ月後くらいに元のホルモンバランスに戻ると言われています。

このような体内のホルモンバランスの急激な変化が、様々な症状を引き起こします。

女性ホルモンが急激に減少することでホルモンバランスが乱れ、その結果自律神経も乱れると言われています。

更年期障害の症状のようなイライラ、不安、気分の浮き沈み、不眠などがあげられます。

これらが産後うつの原因になってしまう辛い症状です。

◯慣れない育児

 産後間もない赤ちゃんは、3〜4時間おきに授乳が必要となります。

また、おむつを替える・ミルクの準備・赤ちゃんをあやす・寝かしつけるなど、していると次の授乳までの時間は短くなり、睡眠が満足にとれない方もいらっしゃいます。

このような慢性的な睡眠不足や疲労の蓄積によっても、気分が落ち込みやすくなってしまいます。


◯環境の変化

 パートナーが仕事に行っている、両親が遠方にいるなどの理由でワンオペ育児になってしまうこともありますよね。

もしかすると、”大人と会話したのがスーパーの定員さんだけだった” 

そんな一日もあるのではないでしょうか?

周囲のサポートがあれば不安や悩みを共有することができますが、誰の助けも得られない状況になってしまうと、吐き出すことができず自分で思っている以上にストレスを溜め込んでしまうことがあります。

◯産後うつ病と感じたら?

 すぐに疲れる、意欲がなくなる、悲観的になる、赤ちゃんの世話が苦痛に感じるなどの症状が2週間以上続く場合は、産後うつ病が考えられます。早期に病院を受診しましょう。

産後のホルモンバランスは胎盤の排出とともに一気に急降下します。

ホルモンバランスが大きく乱れるのですから、産後のうつ症状は誰にでも起こり得るものなんです。

十分に頑張っている自分を認めてあげて、医療機関の他にもサポートを受け入れることを考えてみて下さいね。

◯行政サービス

 郡山市には、以下のような行政サービスがあります。このようなサービスを頼るのも1つの方法です。

出産後は疲労と睡眠不足で頭がぼーっとしてしまうこともあります。また慣れない育児や上の子のお世話をしながら調べるようになりますので大変です。月齢の小さい内は予防接種も多いので、バタバタと予定が埋まって行きます(^^;)

必要なタイミングですぐに利用が開始できるように、妊娠中から知っておけると助かりますよね♡
・産後ケア事業(対象の施設・病院に宿泊や日中通い、出産や育児疲れの心身を休めたり、育児の不安などを相談できます)

・こんにちは赤ちゃん訪問(産後2ヶ月~4ヶ月頃に看護師の方などが自宅訪問し心配ごとなどを相談することができます)

・ファミリーサポートセンター(赤ちゃんを預けたい方・預かりたい方、それぞれが会員になり一時預かりをされています)
・一時預かり(ニコニコ子ども館や各支援センターで、一時預かりをされています)

これらや、他にも様々なサポートについて詳しく説明している冊子「子育てハンドブック」はダウンロードも可能でした♪

https://www.city.koriyama.lg.jp/uploaded/attachment/76125.pdf

ぜひ一度、ご覧になってみてくださいね(*^_^*)

まとめ

 女性は、ホルモンバランスによって体調や気持ちが大きく変動します。

辛いときは無理をせず、頑張って努めてリラックスタイムを作ることも大切です。

産後は、出産による身体への負担やホルモンバランスの変化により、気分が落ち込みやすくなっています。

そのように心と体が影響をうけているのです、できないことがたくさんあるのは当たり前なんです(>_<)

もし「なぜ自分は家事や育児をちゃんと出来ないんだろう」というような辛い気持ちを抱えていらっしゃる方がいましたら、

それはあなたの頑張りが足りないからではありません(>_<) か弱い赤ちゃんと向き合う毎日、十分すぎるほどに頑張っていらっしゃいますよ。自分を追い込まないでくださいね。

自分も大切に♡

そのために、出産前からご家族と家事の分担について話し合っておいたり、

産後の方は大変ですがやって欲しいことを言葉にして伝えてみたり、行政やベビーシッターなどの周りのサポートを受け入れてみてくださいね(^^)